スキルは、Zeroにチームの特定の仕事のやり方を教える、名前付きで再利用可能な手順です。
Zeroに何かを初めて頼むときは、プロンプトを書きます。2回目は、少し手直しした同じプロンプトを貼り付けるかもしれません。3回目になると、誰かが「チームプロンプト集」と呼ぶNotionから長いプロンプトをコピーしているはずです。それがスキルにする合図です。
スキルが解決する問題
ワンオフのチャットはワンオフの仕事には十分です。しかし、ほぼすべてのチームには入力は違うけれど形は同じ繰り返しの仕事が積もっています。
- 顧客がメールしてくる → 履歴を確認 → 顧客の言語で返信を下書き → チケットを記録
- バグレポートが届く → 再現手順を抽出 → 重大度を分類 → 構造化されたIssueを起票
- 月曜の朝 → 先週の数値を取得 → 前週と比較 → ダイジェストを投稿
スキルがないと、これらは200語のプロンプトを誰もが覚えていなければいけません。スキルがあれば、スラッシュコマンドになります。/triage-bug-report、/weekly-metrics、/customer-reply。
スキルはすべて先頭に/が付く名前を持ちます。ビジュアルなスキルピッカーはロードマップに入っており、今のところはスキルを作成し、エージェントに存在を伝えると、それ以降はエージェントが使うようになります。
スキルを作るタイミング
正直なルール:実質的に同じプロンプトを2回以上書いたなら、もしくはチームメイトが書く姿が想像できるなら、スキルにしましょう。
具体的なシグナル:
- 仕事にチームがすでに呼んでいる名前がある(「モーニングブリーフ」「競合スキャン」)
- プロンプトに、毎回変えない特定のツール、チャンネル、テンプレートが出てくる
- 出力の形が固定されている(ダイジェスト、下書き、提出済みIssue)
- チームの複数人が同じものを呼びたい
- スケジュールで動かしたい
スキルに含まれるもの
スキルは3つのセクションを持つ短いMarkdown文書です。
- 説明。 このスキルがいつ適用されるかをZeroに伝える1行の要約。Zeroは入力されたリクエストをスキルの説明と突き合わせるので、表現が重要です。「顧客向けのバグレポートをトリアージして、重大度付きでGitHubに起票」のほうが「バグ系の処理」より優れています。
- 本文。 手順そのもの。普通の文章で十分で、擬似コードは要りません。Zeroが使うツール、出力の形、制約を書きます。本文はうまく動いたチャットプロンプトとよく似た形になります。
- 許可コネクタ(任意)。 制限リスト。SlackとGitHubだけを触らせたいなら、ここに列挙します。デフォルトでは、ワークスペースに接続済みのものをすべて使えます。
それだけです。ノードグラフもYAML設定もトリガーセクションもありません。
チャットからスキルを書く
最速の経路は、まずチャットでプロンプトを書いて動かし、そのあと昇格させる方法です。Zeroが代行できます。
「直前の会話を、
triage-bug-reportという再利用可能なスキルにして。説明はタイトに。」
Zeroは次のように動きます:
- 会話を読み直す
- 手順を抽出する
- 説明を提案する
- ワークスペースにスキルを保存する
- 後で使える正準名を伝える
表現を磨きたいときは、ワークスペースのスキルページから保存済みスキルを編集します。
Zeroがスキルを選ぶ仕組み
スキルを名前で呼ぶ必要はありません。Zeroは、入ってきたリクエストが説明に一致したときに自動でスキルを読み込みます。たとえば、説明「自社の口調とドキュメントを使ってカスタマーメールへの返信を下書きする」を持つcustomer-reply-draftというスキルを書いた場合、カスタマーメールを転送する、または「この顧客への返信を下書きして」と言うだけで、名前を呼ばなくてもこのスキルが呼ばれます。
特定のスキルを強制したい場合は明示します。「customer-reply-draftスキルをこのメールに使って。」
標準搭載のスキル
すべてのZeroエージェントには、VM0が用意したクロスファンクショナルなスキル群が標準搭載されています。リサーチと分析、ファイナンスと会計、リーガルとコンプライアンス、プロダクト、マーケティング、カスタマーサポート、チームコミュニケーションをカバーします。これらはコネクタワークフローではなくドメイン手順で、それぞれが繰り返し発生する仕事の扱い方をZeroに教えます。
それぞれ直接呼び出せるスラッシュコマンドです。サンプル:
/deep-dive— 構造化されたリサーチとソリューション設計。事実を集めてから選択肢を探る/prd-writing— 構造化された問題提起と受入基準を含むプロダクト要件/copywriting— チャネル横断のマーケティングコピー(ブログ、メール、SNS、ランディングページ)/competitor-matrix— 機能比較マトリクス、ポジショニング分解、勝敗分析/customer-reply— チャネルと緊急度に応じた、共感的でブランドに沿った返信/nda-screening— 受信したNDAをGREEN / YELLOW / REDに分類してルーティング/status-updates— 任意の対象に合わせた進捗報告とステークホルダー向けアップデート
チーム間でスキルを共有する
スキルは個人ではなくワークスペース単位です。保存した時点で、ワークスペースの全メンバーが使えます。別途「公開」する手順はありません。
これは大きな意味を持ちます。最初に有用なスキルを書いた人が、チーム全体にその能力を提供することになります。よく名付けられたスキルが10個ある5人チームは、個別に対応するチームより圧倒的に速く動きます。
よくあるパターン
繰り返し現れる形のいくつか。
- 入口フォーム。 入力(メール、バグレポート、スレッド)を取り、構造化された成果物(Issue、下書き、行)を生むスキル。
- リズムのブリーフ。 スケジュールと組み合わせて毎日/毎週走り、目立つ場所に投稿するスキル。
- 会話途中のヘルパー。 チャンネルで
@Zeroによりトリガーされ、絞り込まれたサブタスク(参照、要約、分類)を実行するスキル。 - コンポーザー。 1回の実行でマルチフォーマットなバンドル(ブログ下書き+SNS投稿+カード)を生むスキル。
避けたい落とし穴
- 狭すぎるスキル。 特定の入力にしか合わないスキルは脆いです。仕事の形を狙い、入力の細部を狙わないこと。
- 曖昧すぎるスキル。 「マーケティングを手伝う」は広すぎてZeroが適用タイミングを判断できません。説明では具体的に。
- 資格情報をハードコードするスキル。 APIキーをスキル本文に貼り付けないでください。代わりにカスタムコネクタを使います。
- 出力の形を埋もれさせるスキル。 成果物の形は明示しましょう。「3項目の番号付きリスト」「150語以下の返信下書き」など。
次に進むには
- スキルをスケジュールに乗せて、入力なしで走らせましょう。
- どのコネクタを触れるかは権限で制限できます。
- エンドツーエンドのスキルはサンプルワークフローを参照してください。